平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第6番

Das Wohltemperierte Clavier, Book I, No. 6 in D minor BWV 851
作曲 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
BWV番号 BWV 851
調性 ニ短調 (D minor)
構成 プレリュード + フーガ
フーガ声部数 3声
難易度 中級〜上級
B♭ — 1つのフラット
🌧️ ニ短調 — 厳粛な憂鬱と内面的な葛藤

🎹 プレリュード (Prelude)

4/4拍子、26小節。右手の3連符と左手の8分音符が絶えず続く、エチュード的な性格を持つ曲。半音階的なバスの動きが、不安や緊張感を醸し出します。

構造分析

Section A  (mm. 1-13)   │ 主調 D minor から属調 A minor への進行
                         │ 減七の和音上のアルペジオによる緊張
Section B  (mm. 14-26)  │ G minor 等を経由して主調へ回帰
                         │ 半音階的バス(ラメントバスの変形)
                         │ オルガン的な終止

技法的特徴

💡 演奏のポイント
テンポは Allegro ma non troppo。3連符が転ばないように。和声の変化(特にディミニッシュ)を感じ取り、クレッシェンド・デクレッシェンドで色付けを。最後の終止は堂々と。

🎼 フーガ (Fugue)

3声のフーガ。44小節。半音階的でねじれた主題を持ち、執拗に絡み合う対位法が特徴です。ニ短調特有の「厳格」で「頑固」な性格が表れています。

主題(Subject)

D - E - F - G - E - F - D - C#...
半音階的な動きと、跳躍を含んだ特徴的な旋律
調性が定まりにくい浮遊感

フーガ構造

提示部: mm. 1-8

ソプラノ→アルト→バスの順で提示。対主題も半音階的。

中間部: mm. 9-33

反行形(主題の上下を逆にした形)や、ストレッタが頻繁に現れる。転調を繰り返し、不安感を煽る。

終結部: mm. 34-44

より一層複雑なストレッタを経て、最後はD majorのピカルディ終止で光が差すように終わる。

対位法技法

📚 学習のポイント