平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第5番

Das Wohltemperierte Clavier, Book I, No. 5 in D major BWV 850
作曲 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1685-1750)
BWV番号 BWV 850
調性 ニ長調 (D major)
構成 プレリュード + フーガ
フーガ声部数 4声
難易度 中級〜上級(プレリュードの粒立ち、フーガの付点リズム)
♯♯
F♯ C♯ — 2つのシャープ
🎺 ニ長調 — 輝かしく祝祭的なファンファーレ

🎹 プレリュード (Prelude)

4/4拍子、35小節。一貫して走り続ける16分音符が特徴的な、トッカータ風の華麗な楽曲。ニ長調特有のトランペットのような輝かしさと、推進力に満ちています。

構造分析

Section A  (mm. 1-19)   │ 主調での提示と属調への転調
                         │ 右手の無窮動的な動き
Section B  (mm. 19-28)  │ 展開的な中間部
                         │ B minor を経由し、緊張感を高める
Section A' (mm. 29-35)  │ 主調への回帰と華やかなコーダ
                         │ オルガン的なペダルポイントによる終結

技法的特徴

💡 演奏のポイント
テンポは Allegro。16分音符を一粒一粒クリアに、しかし硬くなりすぎないように。左手の8分音符がリズムの骨格を作るので、安定したビート感を維持すること。

🎼 フーガ (Fugue)

4声のフーガ。全27小節。ヘンデルを思わせる「フランス風序曲」のスタイルを取り入れた、堂々たる威厳のある曲です。プレリュードの流動性とは対照的に、付点リズムによる「タッカ・タッカ」という鋭いリズムが支配します。

主題(Subject)

D - B - C# - D - G - F# - E - D
32分音符を含む付点リズムが特徴
「タッカ」という鋭いモティーフの連続

フーガ構造

提示部: mm. 1-6

バス→テノール→アルト→ソプラノの順で力強く主題が登場。

中間部: mm. 7-19

調性を変えながら付点リズムが応酬する。ストレッタ(密接な主題の重なり)が効果的に使われる。

終結部: mm. 20-27

主調に戻り、全声部が合流して壮大なクライマックスを築く。

対位法技法

📚 学習のポイント